タコの生態を知りタコ釣りに活かす!

タコの生態を知りタコ釣りに活かす!

すっかりタコ釣りにはまってしまったワタクシ。

タコの生態を調べてみました。

■タコの種類

タコの仲間は、軟体動物門頭足綱八腕形目に属します。

その数は世界で約200種類、日本近海では50種類以上が確認されているとのこと。

生息域の水深によって、底棲性のタコと浮遊性のタコに分かれます。マダコのように、海底を這って生息しているのが底棲性で、実はこれよりも海中を漂う浮遊性のタコの方が多いそうです。これら浮遊性のタコも、その浮遊する深さにより、表層遊泳性/亜表層・中層性/中深層性/近底層性の4種に区分されます。

浮遊性のタコの仲間は陸から離れた外洋に生息し、食用に適さないため市場に並ぶこともなく、お目にかかることもありません。

食用となるのはマダコ科のタコで、ワタクシがいま熱を上げているマダコや冷水域に住み体長も3mにまで育つ大型のミズダコ、冬にお腹に詰まった卵がまるでご飯のようなイイダコ、韓国では踊り食いもされるテナガダコ、沖縄ではスタンダードなタコでシマダコといわれるワモンダコなどです。

また、マダコ科にはフグ毒と同じ猛毒の「テトロドトキシン」を持つ、ヒョウモンダコがいます。ヒョウモンダコに噛まれると、死亡することもあり非常に危険です。

東京湾や大阪湾での発見事例もあるようです。

千葉県のホームページに写真などもありますので、ご参考にしてください⇒「ヒョウモンダコにご注意ください」(千葉県庁)

磯遊びは楽しく勉強にもなるものですが、実は危険な海の生物もおりますので、事前にお子さんとお話し合いをして、親御さんもそばについて楽しく遊びましょう。

■タコとイカの違い

だれもがわかるのは、タコの足は8本、イカは10本ということでしょう。

またイカにはミミ(ひれ)がありますが、中にはメンダコというミミを持つタコがいたり、タコイカという腕が8本のイカもいます。

明確に違うのは吸盤の違いであり、タコの吸盤は筋肉の収縮で吸い付き、イカの吸盤にはギザギザのリングがあり、それを引っ掛けて張り付くということです。

タコの吸盤はこそいでもそのままですが、イカの吸盤はこそぐとこの輪がとれるので機会があればやってみてください。

■タコの口はどこか?

よくイラストなんかではタコの目と目の間につんっとした口が書かれています。

確かにタコの頭には口のようなものが付いていますが、これは「漏斗」と呼ばれる、水や墨を吐きだす器官です。一見すると口のようですが全く違います。

なんといってもタコは、カニや貝といった固い固いものをも砕く強靭な口の持ち主です。つまりもしタコに噛まれるようなことがあれば大けがを負う可能性が高いのです!

ではタコの口はどれか?

タコの口は足の間のお尻のように見えるところです。そしてこのタコの口、「たことんび」と言われ珍味として珍重されています。

ちなみにダメな持ち方はこんな持ち方。口を手の裏に乗せていますね。これはダメです。

タコは頭のところをぐっとつかみましょう!

■マダコの生息域

マダコは全世界の温帯の砂礫や岩礁海域に広く分布します。

以前タコの豆知識のときもお話した通り、南イタリアではマダコをよく食べますが、ナポリではタコのルチア風(Polpo alla Luciana)という料理があります。ナポリの漁師町であったサンタルチアで作られたタコのトマト煮です。

作り方は、圧力鍋にオリーブオイルとニンニクのスライスを入れてよく炒めます。そこにトマト缶1缶を入れ、茹でタコもいれます。私は丸まる1匹使っています。ケッパーを少し入れて白ワインも少し入れて、蓋をして圧をかけ15分煮ます。タコが柔らかく煮えておいしいです。作った日でも翌日でも、このソースを茹でたスパゲッティかパッケリと合わせるのがナポリ風。ケッパーの替わりにオリーブでも、またニンニクとトマト缶だけでも十分美味しく食べられます。

2015年、ナポリ滞在時のサンタルチアの海岸です。タコが釣れそうです。

ナポリについてはこちら⇒「イタリア一人旅:ナポリを見てから死ね Vedi Napoli, e poi muori. 」

■タコの一生

タコの寿命は1~2年と言われます。非常に浅いところから水深40m程度までの砂泥底、岩礁域などに生息します。
オスよりメスの方が大きく、全長60cm体重3.5kgほどに成長。春から初夏にかけて岩陰に楕円形の卵を産みます。その数は数万から十数万個におよび、メスは卵のそばでふ化するまで世話をし、約1か月後小ダコが生まれるとメスはその一生を終えます。
生まれた子ダコは梅雨時から釣れるようなサイズになり、新子と言われるタコが釣れだします。

■タコの行動

タコは夜行性で、夜に岩陰から出てきて甲殻類や二枚貝など捕食します。

その捕食スタイルは、近づいて上から乗りかかり、吸盤を地面に張り付かせ圧迫して絞め殺すというもので、この特性を生かし、タコエギやテンヤを海底でずる引きして誘い釣ります。

また縄張り意識が非常に強く、一説によるとその縄張りの範囲は5m四方程度と言われタコつぼを縄につける場合でも5m以上離すようにし、すべてのつぼにまんべんなくタコが入るようにするとのことです。

1匹釣れたら5m程度離して周辺をじっくり誘っています。でも潜った人によると、結構接近しているという話も。4~5匹固まることもよくあるらしいので、釣れたところは丁寧に探りましょう。

そこには岩や穴、ブレイクなど何かストラクチャーがあるかもしれません。やはりタコもストラクチャーにつきやすいので、根掛かりポイント=釣れるポイントとなることが多いです。

ということで、簡単にタコの生態をまとめてみました。

次回はタコ釣りに必要な知識として漁業権をアップします!