骨折日記25:手術の傷跡お手入れに『ビーソフテン』

骨折日記25:手術の傷跡お手入れに『ビーソフテン』

リハビリでは、いつも傷口をマッサージすることから始まります。

まずは、なぜ毎回毎回このマッサージからスタートするのかを説明するのに必要な皮膚の構造を少しお話します。

女性であれば、美容に関連して皮膚の構造はよくご存じではあるとおもいますが、皮膚は、大きく分けて3層構造になっており、一番上の層が「表皮」、その下が「真皮」、最下層が「皮下組織」となっています。表皮は約45日程度でターンオーバーを行い最後は垢となって剥がれ落ちる部分、真皮は膠原線維や弾性線維などからなりよく言われるのが化粧品の成分をより多く浸透させたい層、そして最も下層で表皮と真皮を支え血管・神経・汗腺などを保護する脂肪組織を多く含むのが皮下組織です。

そしてさらに下には、腱や筋や骨があるのですが、この皮下組織がともすれば固くなり、癒着してしまい、ツッパリ感を起こしたり、動きを妨げたりするので、それをマッサージでほぐしているということです。

しかも今回の手術では皮膚を切っただけではなく、プレートが埋められ、その分皮膚の表面積が増えているところにきっちりと皮膚を寄せ集めて縫合しているので、思いっきりツッパリ、術後の経過過程で非常に固くなって痛みもあります。

上から見ると一目瞭然

触ると、金属感があります。傷跡もケロイド状に。

そんなある日のマッサージの会話です。

理学療法士Tさん「う~ん、相変わらず突っ張っていますね。」

michiko「表皮が痛いような感じ…。」

理学療法士Tさん「あ~、保湿したらよいかもしれませんね。」

michiko「保湿。傷跡!あっ、ヒルドイドとかどう?傷跡にもいいでしょ?」

理学療法士Tさん「あ~、いいかもしれませんね。」

この病院ですが、医師の回診がほとんどなく、思いついたら看護師さんか理学療法士さん経由で聞いた方が早いということで早速その日の午後の看護師さんに「傷口が突っ張るので『ヒルドイド』とか出してもらいたいのですが。先生に聞いてもらえます?」と聞くと、その日のうちに聞いてくれてクリームがでました。

そのクリームは『ヒルドイド』のジェネリック『ビーソフテン』でした。成分的にはほどんど同じです。

美容に敏感な女性であれば『ヒルドイド』はご存知だと思います。

この二つの薬は「ヘパリン類似物質」というものを含有しています。

ヘパリンというのはムコ多糖類の仲間でヘパリン類似物質とはそのヘパリンに似た物質ということです。ムコ多糖類にはコンドロイチンやヒアルロン酸、グルコサミンなどが含まれます。ヘパリン類似物質には血液の凝固を抑える働きがありますがあり、血を固めにくくするため、血行の促進になります。この血行促進が傷の治りによく、傷跡を修復するのによいとされています。

女性の間では、妊娠線や帝王切開の傷跡修復で使う人も多く、また美容目的でも高い保湿効果によりアンチエイジングで使う人もいるようです。もとは、その話題で知っていたのですが、こんなところで思わず雑学が役にたちました。

使ってみたところ、肌がしっとり、柔らかくなった感じがします。

ケロイドも気になるので、しばらくちゃんと使ってみようと思います。

なお、『ヒルドイド』『ビーソフテン』とも処方薬です。皮膚科などで処方してもらえますが、もともと血液の凝固を抑える働きがあるので、出血しやすくなる作用があり、出血性血液疾患の患者さんや出血している創部には使うことができません。

詳しくは医師にご相談にうえ処方してもらってください。

なお市販薬でも同じような成分を含有するクリームがあります。

小林製薬:アットノンEXクリーム15g

グラクソスミスクライン:HPクリーム60g

などが、あります。

『ビーソフテン』使用の経過はまた後日ご報告できればと思います。