2019年8月 東京湾シンフォニーランチクルーズ!東京港航路見所編
前編 「2019年8月 東京湾シンフォニークルーズでランチクルーズ!イタリアンランチ編」からの続きで、こちらのクルーズで見られる東京港の見所を雑学を交え、クルーズの航路に沿ってご紹介していきます。
■船からのお勧め風景
①レインボーブリッジくぐり
迫力あるレインボーブリッジを下から。車道の下に人が通行できる通路がありますが、歩いている人も見えます。
着工はバブル真っ盛りの1987年(昭和62年)、竣工はバブルも弾けた1993年(平成5年)。この橋も時代のうねりを見てきたのかと思いつつ下から眺めると感慨深いものです。
当時世界で最も有名な大型客船であるクイーンエリザベス2が通過し晴海埠頭に接岸できることを想定し、その橋桁の高さを52メートルとしましたが、クイーンエリザベス2はレインボーブリッジをくぐる事はありませんでした。近年客船の大型化が進み60-70メートルの船も多く、現在東京オリンピック・パラリンピックに向けて青海に「東京国際クルーズターミナル」の整備を進めています。東京国際クルーズターミナルの開業は2020年7月14日、記念すべき第1船はロイヤル・カリビアン・インターナショナル社が運航するスペクトラム・オブ・ザ・シーズとなります。この工事現場前も通りましたが、食事中でかつ私達の座った右舷とは反対の左舷がわで撮影ならず。
②東京湾岸Zoo キリンの群れ!
その形状から通称キリンと言われるガントリークレーン。大型船からコンテナを積み下ろしするためのクレーン。1基10億円というものが、東京湾岸にはたくさんたくさんあります。写真だけで100億円。東京都心一等地の大型ビルのような金額です。それだけの物流が東京にはあるのかと改めて驚きます。
東京港は2016年世界のコンテナ取扱個数では国内No1、世界でも30位の4,734,784TEU。
取扱貨物総量でいえば、平成29年度取扱貨物の総量は9,078万トン。国内の港湾では全国7位のランキングです。
ちなみに1位は愛知県の名古屋港(19,597万トン)、2位は千葉県千葉港(15,329万トン)、3位神奈川県横浜港(11,350万トン)。この貨物取扱量ランキングを見て思ったのは、1位2位の並びが全国交通事故死ワースト1.2と同じ並びだと思いました。こちらのワーストは返上したいものですね。
③羽田空港越しの風の塔
こちら風の塔は以前タチウオジギングでもご紹介したポイント(⇒「連日チャレンジ!風の塔からスタートフィッシング!」風の塔の間近の写真もあります。2018年11月掲載)羽田沖もやはりタチウオジギングのポイント。このクルーズ船に乗っても、「デッキの高さからはジギングできないなぁ。」などと考えるバカ者です。
④中央防波堤と飛行機
2020年東京オリンピック・パラリンピックのボート・カヌーの会場となる海の森競技場の工事をしている中央防波堤。その上をいく、飛行機。来年のオリンピック・パラリンピックでは来日のゲストがこのクルーズに乗ることもあるのでしょう。
⑤東京港の玄関 東京ゲートブリッジ
東京港側(湾奥)からみた東京ゲートブリッジ。
東京湾側からビル群を従えた東京港を臨む。
東京ゲートブリッジを真下から。
恐竜が向かい合っているような形状をすることから「恐竜橋」とも呼ばれる東京ゲートブリッジ。この橋の建設時の仮称は「東京港臨海大橋」でしたが2010年10月一般公募で12,223件の応募のなかかから「東京ゲートブリッジ」と命名されました。
この東京ゲートブリッジ、大田区城南島と江東区若洲を結ぶ東京港臨海道路のうち、東京港東航路を横断する2,618メートル(陸上アプローチ部分を含む。海上を跨ぐ区間は1,618メートル)の橋です。橋の高さは87.8メートルで、桁下54.6メートルを確保した橋です。ちなみに江東区側若洲には海釣り施設があり、こちらも有名な釣りのポイントです。
東京ゲートブリッジを抜けると、東京港から東京湾へと変わるのでした。
⑥ウィンクしながら全国をまわるフローティングドッグ 立山6500-01
東京ゲートブリッジの東京港側、ゲートブリッジに向かって右側で可愛くウィンクしているこれはなに?と写真を録り後日調べてみると、フローティングドッグなるもので、ケーソン製作用台船ということです。
釣りをしている人には馴染みのあるケーソンですが、普通の人にはそれなに?となりますね。防波堤や岸壁を作る際に用いられるコンクリートの箱をケーソンと言います。タコ釣りは、ケーソンの間(ケーソンとケーソンが繋がれ長い防波堤となります)を注意深く探れ(わずかな段差にたこがつく)と言われます。
そのケーソンを製作し進水させるのがこちらの台船ということです。効率を考え、陸上で作らずに水面で台船に型枠をはめコンクリートを流しケーソンを造り、設置場所まで持っていく船です。
ということで平成6年、富山県の砺波工業株式会社により建造された載荷重量6,500トン、総建築費9億4,000万円のフローティングドッグのようです。なるほど、富山の会社なので立山を名称に使っているのか?※発注元が砺波工業で北九州の五幸造船にて製造。
お仕事があれは全国その地に赴きケーソンを製作している船です。今はこの地にいますが、次の職場はどこの港になるのでしょうか?
ちなみにこの顔が描かれたのは建造後約6年を経てとのこと、親しみがあるようにと書いたのがウィンクする顔。
かわいく見えるフローティングドッグですが、その大きさは全長50メートル、幅40メートル、高さ21メートルで、高さ20メートルの中型ビル並みのケーソンも製造できるとのこと。個性的な人の多い富山県人のユーモアさを感じてしまうのはワタクシだけでしょうか?
クルーズも東京ゲートブリッジを超えて復路に。
⑦お台場
言わずと知れたお台場。手前に弧を描いた建物はヒルトンホテル、玉を乗せた建物はご存知の方も多いフジテレビ。
お台場の歴史は江戸時代に遡ります。
もともとこの地は海の中。
1853年のペリー提督による艦隊の来航に危機を感じた江戸幕府が東京湾内に6つの台場(砲台)を築造しました。現存するのはそのうちの第三台場と第六台場。現在の台場公園はこの第三砲台にできました。
その周囲は13号埋立事業として、昭和54年に埋立地として完成。紆余曲折をへて、現在の景色のような建物たちができることに。
こちらは第六台場。海中にあり、上陸することはできません。石垣は江戸時代のものか?歴史と自然の第六台場、タコが釣れそうです。
お台場には砂浜のビーチもあり。ボランティアが子どもたちにマリンレジャーを教えたり、メトロポリタン東京のビーチとしての役割は大きいもの。昔の東京湾といえば、大腸菌がとか有害物質がとか言われてましたが、だいぶ水質改善してはいる模様。さすがに東京港がメインのクルーズでは水色はヒドイのですが、この夏の盛りでも匂いもなく、水質改善の様子は覗えます。
※こののち8月17日トライアスロンのワールドカップのための水質検査(前日16日実施)では国際トライアスロン連合の定める基準値の2倍の大腸菌が検出されたとニュースになっていました。残念ながらオリンピック・パラリンピックへの課題となってしまいました…。
江戸幕府では東京港に点在した台場が江戸を守る要と考えられ、もう少し時代が進むと戦闘のスタイルもかわり、東京湾という広い範囲での首都防衛が必要となりました。そこで明治時代から工事が始まり大正に入り完成し、第2次大戦まで帝都東京の要塞という役目を持った人口島、第一海堡、第二海堡、第三海堡(但し第三海堡は、東京湾への船舶の往来が増え、その航路上にあったため平成12年から19年にかけ東京湾口航路整備事業の一環として撤去されています。)が築造されました。現存する第一海堡、第二海堡とも立入禁止区域でしたが、今年から指定のツアーのみになりますが、第二海堡への上陸が許可されました。ご興味ある方はこちら⇒東京湾海堡ツーリズム機構のHPからツアーを探してみてください。
なお、いつもタチウオ釣りで書いている通り、第二海堡周辺は大変よい漁場です。
■船内のイベント
3階にはイスを並べたスペースがあり、クルーズの終盤にはミニコンサートを行っていました。
この日は女性プレーヤーによるサックスの演奏。
席を周りサービスもよし。
曲も「夏の思い出」や「上を向いて歩こう」など誰もが知る名曲。もちろん、無料です。
ということで、11時50分から14時00分までのクルーズはあっと言う間。
イタリアンランチ編でも書きましたが、イタリアンランチがついて料金は6,000円。(飲物は別料金)
食べて見て聞いて楽しむことができました。
■クルーズの概要
クルーズ名:シンフォニークルーズ
問い合わせ先:03-3798-8101 10:00~19:30(無休)
ホームページ:https://www.symphony-cruise.co.jp
詳細はホームページをご覧ください
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